第2章 薬理学の基礎知識

  1. 薬物が作用する仕組み(薬力学)
    • 薬物受容体
      • 受容体の種類f:id:chrysogenum85:20160731195721p:plain

         

         

         

      • 受容体と薬物の相互作用
        1. 作動薬(アゴニスト)
          • 完全作動薬…最大の反応
          • 部分作動薬…弱い反応

ただし活性化に働く場合と阻害的に働く場合がある

  1. 拮抗薬(アンタゴニスト)
    • 競合的阻害…可逆的で拮抗作用発現の強さは作動薬と拮抗薬の濃度比率で決まる(イス取り合戦)
    • 非競合的阻害…非可逆的に結合(外れない)f:id:chrysogenum85:20160731195815p:plain

リガンド結合部位以外へ結合し受容体構造を変化させるなど

  • イオンチャネル
    • リガンド依存性…刺激により小孔が開き細胞外から内へとイオンを透過させる
    • 膜電位依存性…チャネルタンパクの中の電荷が膜電位に応じて位置を変えることで、それがスイッチになってタンパクの穴の部分のカタチが変わって開閉f:id:chrysogenum85:20160731195818p:plain
  • 酵素
    • 酵素…生体内で触媒の働きをするタンパク質
    • 基質…合成の材料
    • 偽基質…基質に似た分子を酵素に取り込ませ代謝経路を阻害する
    • プロドラッグ…そのままでは何も作用を示さないが酵素によって代謝されて初めて効果を発現する(副作用回避や移行性の向上)
  • トランスポーター

「物質の結合→膜内移動→他側への放出」を繰り返すf:id:chrysogenum85:20160731195824p:plain

 

 

 

第1章 薬理学を学ぶにあたって 薬による病気の治療

薬による病気の治療

  1. 薬物の使用目的
    • 原因療法薬…病気の原因を取り除く
      • 感染症の原因である微生物に対する抗菌薬
      • インフルエンザなどのウイルス感染症に対する抗ウイルス薬
    • 対症療法薬…病気の症状を緩和させる(根治不可)
      • 咳・鼻水・発熱・頭痛の症状を緩和する風邪薬
      • 高血圧の根本的な原因除去ができないので降圧薬
    • 補充療法薬…ホルモンやビタミンを補うことで不足して生じる病気や病態を抑える
    • 予防薬…病気の症状をあらかじめ防ぐ
      • 脳梗塞予防のための抗血液凝固薬
      • 花粉症に抗アレルギー薬
  1. 薬物療法における看護師の役割

1人の患者に対して様々な職種の医療者が関わり、それぞれの専門性を活かしながら協力し治療を行っていくチーム医療が不可欠

  • 誤薬の防止

Right Patient

Right Drug

Right Dose

Right Route

Right Time

思い込み・焦り・慣れ・疲れなどによる注意不足

「ノルバスク」「ノルバデックス」、「プロルナー」「プロレナール」

  • 治療効果の確認
    • 薬物が投与後に治療方針に沿った効果を十分に著しているかを観察することは看護師の重要な役割である
    • 看護記録は治療効果の検証や治療方針の変更のきっかけとなる
  • 有害作用の早期発見と予防
    • 患者は不調を看護師に訴えることが多い
    • 患者のわずかな異変に気がつく機会が最も多いのは看護師

※迅速な対処をとるために起こりうる有害作用に備えておくことが大切

  • 服薬に関する患者指導
    • 薬を正しく服用されることは治療効果をあげる
    • アドヒアランス」患者が医師の指示通りに薬を使用しているか
    • 患者が薬の必要性を理解出来ないと自己中止や副作用が生じる
  • 患者家族に対する治療の説明
    • 治療方針や処方薬の説明に対しての疑問は医師や薬剤師に聴けない心境がある
    • 患者と医療職者の仲介者となりお互いの意思疎通を促進することは看護師の重要な役割である

第1章 薬理学を学ぶにあたって 薬理学のなりたち

  1. 薬理学のなりたち
    • 薬理学の起源と成立
    • 現代の薬理学が扱う分野
      • 薬力学…薬物が生体に及ぼす生化学的・生理学的作用(薬理作用)
      • 薬物動態学…生体が薬物の吸収や分布、代謝、排出に及ぼす影響
    • 薬理学と様々な分野の関わり
      • 薬物の開発への応用

バイオテクノロジーで合成化学では困難な生体関連物質が作成可能になった

  • 薬理遺伝学

特異体質として考えられていた薬物反応が遺伝子の影響によることが判明した(肺がん治療薬など)

  • テーラーメイド医療

第1章 薬理学を学ぶにあたって

A薬理学とは何か

  1. 薬物とは何か
    • 初期の薬物
      • 植物由来の薬物
        • 柳の樹皮からの抽出物(サリチル酸)が鎮痛作用をもつ
        • ケシの未熟果から採取した樹液(アヘン)が鎮痛や陶酔感
      • 鉱物由来の薬物
        • 牡蠣の殻(炭酸カルシウム)は精神安定剤や胃酸過多の制酸剤
        • 石膏(天然産含水硫酸カルシウム)は解熱作用や利尿作用

 

                              ※生体に何らかの反応を生じさせる物質

                                    薬物…ヒトに有用なもの

          作用…期待する効果

          副作用…好ましくない作用

          毒物…有害なもの

 

  • 現代の薬物
    • 化学的に合成されたもの・植物や動物由来のもので精製されたもの、遺伝子工学によって作られたもの
      • 賦形剤・安定剤を含んでいる

錠剤では1錠1000mgの重量でも有効成分はわずか1mgの薬剤もある

薬物とは「ヒトまたは動物の疾病の診断、治療または予防に使用されることが目的とされているもの」

  • 医薬品

法律で定められたヒトに投与することのできる薬物

  • 医療用医薬品

医療機関で医師の処方が必要な医薬品

  • 一般医薬品

薬局薬店で誰でも入手できる医薬品

祝!ブログ開設

初めましてランタスです。

 

今年4月から看護学校で看護師の勉強を始めた30代の男です。

 

勉強した内容を記事にしていこうと思います。

初めは薬理学からでしょうか?

 

こんな私ですが勉強を中心に旅行やカメラにも興味があるので書いていこうと思います。